運送業に従業員とのトラブルはつきものです。
従業員との間で問題になる2大トラブル(※私見です)を解説します。
このページでは、本当によく起こっている「明日から来なくていい!」従業員クビ問題を解説します。

よくある「明日から来なくていい!」従業員クビ問題

従業員の中には、経営者や上司に悪態をついたり、配車について延々と文句を言って指示に従わない
という方もいますよね。そんな時、つい言ってしまいたくなるのが「お前はクビだ!」とか「明日か
ら来なくていい!」というセリフですね。

経営者からすると、そんなことで延々と文句を言う従業員なんていらない!と思ってしまう気持ちは
よくわかりますが、法律はなかなかその気持ちを理解してくれません。

1.従業員をクビにするとどうなるか

従業員をクビにするとどのような問題が起こるのでしょうか。

①従業員がクビになったことを不服に思う
②従業員がクビという処分の無効を主張する
③交渉で解決できなければ裁判・労働審判などの手続きになる

というパターンを踏む場合が多いです。
当事者間の交渉で意見の相違が埋まらない場合、結局のところ裁判で解決せざるを得ません。

2.クビ!はどういった場合に有効になるのか

「明日から来なくていい!」と言って従業員をクビにした場合、それは有効なのでしょうか。
答えはNO!です。

従業員をクビにするのはきちんと手続きを踏んで行わないといけませんし、手続きを踏んでいたと
しても、超よっぽどの理由が必要です。
ただ単に指示を聞かないとか、悪態をつくというだけでは簡単にクビにはできないのです。
そのため、カッとなって「お前はクビだー!」とか「明日から来なくていい!」とか言うと無用な
トラブルを招きかねないので、ぐっとこらえて粛々と懲戒手続きを行いましょう。

この人は・・・と思うような従業員がいる場合、可能であれば、問題行動その1が起こった段階で
顧問弁護士等に相談して、その後の対処方法を協議しましょう。

3.クビ!が無効になるとどうなるのか

従業員をクビ(正式には解雇と言います)にしたけど、後からそれが裁判などで無効になってしまっ
た場合、どうなるのでしょうか。

なんと、世にも恐ろしい事態が起きます。
その従業員は、クビ!と言われた時からクビの無効が確定するまで会社に来ていなかったにもかかわ
らず、その間の給料を支払うことになるのです。なんてこったい。
※その従業員が就労意欲を喪失していた、後に他社に就職したなど、上記のとおりにならない場合も
あります。

これって経営者からすると全く理解できない事象だと思うのですが、残念ながらこうなってしまうの
です。

なので、やっぱり問題社員に対する対応は淡々と粛々と、を心がけて行う必要があるのです。
経営者ってほんと大変です。みなさまいつもお疲れ様です。