1.問題社員、辞めさせたい!
と思っている社長や人事担当者は多いはず。
問題社員が1人いるだけで、対応の手間、他の従業員への影響は計り知れません。問題社員のせいで、会社にいてほしい人が辞めてしまったり、従業員同士
がぎくしゃくしたり・・・社長が抱えるストレスは半端ありません。
運送業で言うと、条件の悪い配車を拒否したり、荷役作業を拒否したり、当日突然欠勤するなど、ワガママなドライバーに困っている会社が多いです。
ワガママドライバーを放置していると、事態は悪化します。
ほかのドライバーが「何であの人はやらなくていいのか」となったり、配車係が配車やりたくないと言い始めたり・・・。ここから色んな問題に発展しかねません。
このように問題社員は、問題社員への指導等の対応が大変なだけではなく、会社にとってよくないことが多々起きる芽になります。そのため、問題社員がいたら、早々に対策を打ちましょう。
2.クビ(解雇)は難しい
会社をやめてもらうには、従業員をクビにするか、従業員からの申し出で辞めてもらう(退職の意思表示をしてもらう)しかありません。
ここで「はいクビ!」とできたら簡単ですが(海外のドラマとか結構簡単にクビにされてますよね)、日本の法律や裁判所は残念ながらそれを許してくれません。
しかも、会社からすると「えっ!こんなことした従業員もクビにできないの!?」と思うほど、法律や裁判所はクビ(解雇)に対し厳しい見方をしてきます。
とすると、まず検討すべきは、従業員に自発的に辞めてもらうという方法です。
3.従業員に自発的に辞めてもらう方法
クビにはできないとすると、従業員から自発的にやめてもらう方法を検討してみましょう。会社から従業員に対し、自発的に辞めてもらうよう促すことを退職勧奨(たいしょくかんしょう)と言います。
よく、退職勧奨=クビ(解雇)で、退職勧奨はやってはいけないと勘違いされていることも多いです。しかし退職勧奨はあくまでも、会社から従業員に対するお願いにすぎません。その方法に問題があれば(詐欺的、脅迫的などなど)別ですが、単にお願いしているだけでしたら何も問題ありません。
退職勧奨をするためには、
①その従業員の問題っぷりをきちんと書類など目に見える形でまとめておきましょう。
辞めさせたい従業員に問題行動を指摘しても、「私そんなことやってません」と言われてしまうことも多いです。
そうならないように、同僚の証言をとっておく、社内の防犯カメラ映像を保存しておくとか、客観的な資料を集めるのがベストです。
②その上で、その従業員に、「会社としてはあなたに退職して欲しいと思っている」こと、その理由を話しましょう。
話し合いは他の従業員に聞かれないところで行った方がいいです。他の従業員がいるところでそういう話をすると、パワハラと言われかねません。また、従業員との会話を録音なり録画なりしておく方がいいです。あとで言った言わないのトラブルになることを防げます。
③従業員が退職に応じるようであれば、退職届をその場で書いてもらいましょう。
本人の気が変わらないうちにGO!です。
退職届は、その従業員から後々「無理やりかかされた」「嘘の説明をされて書いてしまった」と争われるのはあるあるです。そうならないためにも、録音や録画をしておきましょう。
4.まとめ
これでだいたいのやり方はわかったと思います。
退職勧奨するにあたっての資料収集や問題行動が本当に法的に問題行動と認めらえるかという点は、あらかじめ弁護士に確認してから望むことをお勧めします。
問題社員対応は面倒だし、その社員からいろいろ言われてやっかい・・・という思いからずるずる先延ばしにしているケースを多々見ます。確かに、気が重いですよね。
しかし先延ばしにしていると、後から指摘したときに「あの時何も言わなかったじゃないか!」という問題にもなりかねません。
問題社員対応は、素早く簡潔に行うのが吉です。